今年もリアルタイムに見ていたので雑感を。 -- 1. Descent by Karoshierlolcode という言語を使ったデモ。 ASCII 文字オンリーで、マンデルブロや CAVE などのデモを実行。 この言語で書かれたソースは俗に言う「厨房臭い」見た目になるようで、これ でマンデルブロを仕上げるのは、それはそれで気合が入っているのかもしれず。 冒頭のネコは lolcode が生まれるきっかけとなった lolcat が元ネタ。 参考リンク:LOLCODE入門 - SouceForge.JP Magazine 2. Finally made it by TMT
EOS500 によるストップモーション・アニメーション。 6x4 のビールケースか らビールを抜いたり入れたりすることで、スネークや pong を再現したりなど。 写真の雰囲気から、どうやらパーティ会場で作られたもののようで(いわゆる party coding)。題名が「遂にやり終えたぜ」なのも、そういうことなんだろ うな。 3. Tentacle Band by Dienstagstreff
全身着ぐるみの二人組みが即興で踊るデモ。これはその場で見ないと面白くな いタイプのワイルドかな。 4. K1 by knizz
Linux 上でのデモ、ということだけど詳しいことは分からず。Linux/PC なら PC demo になるはずなので、実は特殊なプラットフォームなのかもしれない。 5. Etch-a-sketch by Cybernetics Genethics
Morph OS 上での単色デモ。なぜ単色なのか? おそらく何かを再現しているのだろうけどよく分からず。 6. Xnth Demo v1.08 by VJ Bensky and Optics
動画 自作の VJ ツールを紹介するデモらしいのだけど説明が無いのでよく分からず。 色々出来る様子。 7. Elixir Android's Wild by Bixo
HTC Magic を使ったデモ。日本では HT-03A として知られている。 8. Das Shuttlebus by The Alberts
PowerPoint 製のデモ。タイトルが示している通り、パーティ会場につくまでの シャトルバスの道のりをストップモーションで繋げたドキュメンタリ。 会場にいる人達の中には、このシャトルバスに乗った人もいるわけで、その場で は盛り上がっているものの、ストリーミングで見ているこちらは……。 9. No Future by Digital Sounds Sistems
Yes, this demo runs on mIRC :) なデモ。IRC クライアントということで文字 だけしか表示できないのかと思いきや、様々なグラフィックを表示。 mIRC scripting language - Wikipedia:en によると、簡単な図形描画がスクリ プトだけで行えるらしく、また COM による拡張も出来る模様。 mIRC 上でデモを作ろうと、思いついた時点で勝ち組だよ。 10. High School Love by adinpsz
動画 TI-89 という関数電卓によるデモ。思春期真っ盛りな少年が一通のラブレター をしたため、彼女と世界中を旅する妄想をする……という若干ストーリー仕立 てのデモ。その淡い雰囲気のためか会場では合唱が起こったりなど。 結果的に少年は振られてしまうのだけど「でも問題ないさ。デモシーンはまだ 続くのだから」と締めて喝采。BGM が無いので会場の様子そのものが BGM に なるんだけど、このライブ感がたまらないよ。 11. strobborts by K2 & WD
Commodore VC20 によるデモ。日本では VIC-1001 として知られる。単音 BEEP を時分割で鳴らし和音生成するなど。 12. going lowres by TRSI
動画 上と同じく、VC20 によるデモ。プラズマ、トンネル、ツイストなど。相当メ モリが厳しいらしく、いくつかデモを表示し終わるたびにローディングが入る。 13. Loopback by Altair
動画 V6Z80P によるデモ。Spartan II をベースにした基板らしく、スペック的には MSX2 turboR に近い性能を持っている模様。 14. Wobble by CRTC
ドリームキャストによるデモ。今回は PowerVR 勢が強いのかなぁと思いつつ 見ていた。 15. Para 'N' Droid by TRSI & Rabenauge & Brain Control
Android によるデモ。使用機種は Motorola Milestone だとか。画面を触ると ロゴが入れ替わったり、傾けると星の流れる方向が変わったり、とマシンの特 性を生かしたデモかな。 16. delta by DMA
動画 iPhone によるデモ。Android デモのすぐ後にぶつけてくる辺り、運営は狙って いるだろう? こちらはスタイリッシュな正統派デモ(先のデモも正統派といえ ば正統派なのだけど)で、iPhone ユーザと Android ユーザの違いを垣間見た 感じがする。ソースが公開されている。 17. Led it be by Darklite
動画 4x4x4 に並べた 多色 LED によるデモ。音楽に同期していて美しい「空間」を 演出している。動画はまず製作記から始まり、なんだか「作ってみた」臭を感 じた人は恐らくニコ厨なので(以下略) 18. BluREU by Crest
動画 C64REU (REU とは RAM Expansion Unit の略)による、ほぼ全編が動画で構成 されたデモ。16MB に拡張された RAM の力で Second Reality や fr-25 など を動画としてそのまま取り込んでいたり、とやりたい放題。 日本で言うところの「MZ-700 に不可能は無い」みたいな感じかな。 19. Lineart by Nuance & METALVOTZE
動画 MB Vectrex によるデモ。日本で言うところの高速船。ワイヤフレームによる 3D 描画。Vectrex を持ち込もうとするのが凄いと思うのだ。 20. Phasor by lft
動画 ATmega88 を CPU に据えた自作基板によるデモ。この作者は昨年と一昨年もワ イルド部門で参加していて、今年も同様に1位を取るのかと思われたが、その 座は BluREU に奪われた模様。音楽も映像もクールでいいんだけど、今回は相 手が悪かったか。 -- 今年はコンソールゲーム機によるエントリーが一つしかなく、代わりにスマー トフォンによるエントリーが多かったのが印象的だった。 掲載画像はこちらから拝借しました。